安かろう悪かろう、はもう卒業しよう
社長ブログ

目次
最近、「モノの値段、高くなったなあ」と感じることが増えました。
単なる物価上昇というよりも、ちゃんとしたモノを選ぼうとすると、それなりの金額が必要になった、そんな感覚です。
特にクルマ好きにとっては分かりやすい話。
少し前に興味が湧いて、
**マツダ ロードスター RF**のネット見積もりを取ってみたところ、500万円オーバー。
正直、「おお…」と一瞬たじろぎました。
約30年前、若いころに乗っていた**ユーノスロードスター**は、確か200万円くらい。
数字だけ見れば、倍以上です。
でもまあ、この2台を同じ土俵で比べるのは無理があります。
•安全性能は別物
•電子制御や快適装備も段違い
•環境規制への対応コストも増えている
要するに、中身がまったく違うクルマなんですよね。
だから僕は、「昔みたいに安く作ってほしい」とは思いません。
それよりも、こう思います。
無理に安くしなくていい。
その代わり、満足度を上げてほしい。
サイゼリヤは、やっぱりすごい
話は変わりますが、日本のファミリーレストランの中で
サイゼリヤほど不思議で、すごい存在はないと思っています。
•グラスワイン100円!ボトルでも量販店より安い!
•ミラノ風ドリア300円台
•ほうれん草のソテー200円
ワインを飲んでも、1人3,000円いかない。
この価格で「ちゃんと外食した満足感」があるのは、本当に驚きです。
もちろん、高級イタリアンと比べるつもりはありませんが、
価格に対する満足度という点では、相当レベルが高いと思います。
ただ、最近ちょっと気になること
とはいえ、正直に言うと——
最近のサイゼリヤに、少しだけ違和感を覚えることもあります。
•盛り付けが控えめ
•メニューが一部廉価仕様に
•全体的に少しおとなしくなった印象
もちろん、これは批判ではありません。
原材料費や人件費が上がり続ける中で、価格を維持する大変さは、経営に関わる立場としてよく分かります。
価格を守るために、価値を下げる?
ここで考えさせられます。
コストが上がる
↓
値上げは難しい
↓
品質やボリュームを少しずつ調整する
この流れは、飲食業界に限らず、どの業界でも起きています。
ただ、このやり方を続けていくとどうなるか。
「安さだけを求める人」だけが残る。
そうなると、
•客単価は上がらない
•店内の雰囲気も荒れやすくなる
•ブランドの魅力が薄れていく
これは、建設業でも、製造業でも、サービス業でも同じです。
「それなりに安い」より「ちゃんと安い」
安いこと自体は、決して悪くありません。
でも大切なのは、
それなりのものを安く、ではなく
きちんとしたものを、安く
という考え方だと思います。
「価値の方が価格を上回っている」
この感覚があれば、多少の値上げは納得できますし、満足度は下がりません。
サイゼリヤほどの低価格帯なら、
一部の商品だけ少し価格を上げて、原価をかけた“本気の一皿”があってもいいはずです。
•原価をしっかりかけた看板メニュー(炭火焼きメニューなんて是非食べたい!)
•イカ墨パスタの復刻
•オリジナルクラフトビール
評判が良ければ、そこを育てればいい。
安かろう悪かろうは、誰も幸せにしない
インフレが進む時代に、無理に価格を据え置くことが、必ずしも正解とは限りません。
•作る側は苦しくなる
•提供される価値は下がる
•結果として、誰も得をしない
それよりも、
良いものを、安く。
安いだけのものは、作らない。
この姿勢の方が、長く支持されると感じています。
クルマも、料理も、仕事も同じ
ロードスターの価格の話も、
サイゼリヤの話も、
突き詰めれば「価値と価格」の話です。
安さを追い続けるより、
満足度を追い続ける。
これは、私たちの仕事においても、
これからますます大切になる考え方ではないでしょうか。